「ニュアンス」の意味や正しい使い方は？類語や対義語についても詳しく解説！

「ニュアンス」と聞いて思い浮かべるのはどのようなものがあるのでしょうか。
日常の会話でもよく用いられる言葉で、最近では女性の間でニュアンスネイルと呼ばれるものも流行っています。果たして「ニュアンス」の意味はそれに付随するものだけなのでしょうか。ここからは「ニュアンス」の意味について詳しくご紹介していきます。

「ニュアンス」には大きく分けて2つの意味があります。

1. 言外に表された話し手の意図
2. 色彩や音色の微妙な差異

「ニュアンス」の語源はフランス語の「nuance」です。この「nuance」は色彩、トーン、強弱、色ざし、色合い、色調、精妙さ、陰影などを意味し、主に美術や芸術に深く関係した言葉である事が分かります。
つまり、このように芸術や美術の分野で色やイメージにおいての「微妙な差異」を表現する言葉になります。

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それでは前述した「ニュアンス」の持つ2つの意味から、それぞれの使い方を見ていきましょう。

「ニュアンス」は「言外に表された話し手の意図」という意味で使われることもあるのですが、簡単に言うと人が言った事に対する「微妙な意味合い」や「言葉の裏から読み取れる意図」を差します。
つまり、言葉で言い表せない様な細かい表現を伝えたい時に「ニュアンス」を使う事が分かります。

【例文】

• 言葉の細かいニュアンスを汲み取って理解してほしい。
• 彼の言葉には皮肉なニュアンスが込められていた。

• ニュアンス的には合っているが、細かく言えば間違っているかもしれない。

「ニュアンス」は色彩や音色の微妙な差異のことを意味していますが、それぞれを比べた時の明確な差異を意味するわけではありません。

例えば、黒と白を比べた時に一目見ただけで明確な差異がわかりますよね。
これでは「ニュアンス」とは言えません。

青と紺色、赤や朱色などのような、同じ系統同じ様な色彩だけれども微妙に「色調」が異なる場合の差異を「ニュアンス」と呼びます。

それではここで例文を見てみましょう。

• 細かい色のグラデーションを使ったニュアンスネイルが最近の流行りだ。
• ピアノで悲しいニュアンスの音色を出す。

「ニュアンス」の類語は比較的日常の生活でもよく使われる言葉です。今回はそんな「ニュアンス」に代わって使える類語を7つご紹介していきます。

「印象」とは見たり聞いたりした時に、感じとられたものというの類語です。
心で感じられたことを意味する点では「ニュアンス」と同じですが、「印象」には差異の意味が含まれていない事が大きな違いです。

例えば、初めて会った人に対して、あの人の第一印象は知的で優しそうだ、などと使います。

一つの物事に対しての感じ方を表す時は「印象」を使うと良いでしょう。

「雰囲気」はその場を満たしている気分や空気のことを意味します。
現在は「雰囲気」は場所だけに限らず、人や言葉にも使われる様になりました。
そのため、「言葉の雰囲気」と言う時は「ニュアンス」と同じ意味として使われます。

例えば、あの話はしてはいけない雰囲気が醸し出されていた、などと使います。

「趣」は「おもむき」と読み、風情や味わいを意味します。
心で感じられたことを意味する点では「ニュアンス」と同じですが、「趣」は差異を意味しません。

例えば、温泉街に雪が降る景色は趣があるなどと表現できます。
「趣」はポジティブな意味でのみ使い、「ニュアンス」はネガティブな意味でも使えるので覚えておきましょう。

「含意」とは「がんい」と読み、漢字の通り意味を含む事、つまり表面には見えない意味を含んでいることを表します。

例えば、クライアントの発表内容の含意を正確に読み取る、などと使います。

「ニュアンス」よりも汲み取ろうとする意味が明確の場合に使う事が多いでしょう。

「タッチ」とは、触れる事、ある物事に関与する事を意味します。
「タッチ」には他にもキーボードやピアノを押すときの事、絵を描くときの筆使いや色使いを表現する際にもタッチは使われます。

例えば、全力で駅まで走ったが、タッチの差で乗りたかった電車が行ってしまった、などよく使いますよね。
この時の「タッチ」は微妙な差を表しますが、同じく微妙な差異を意味するニュアンスを使うと不自然になります。

「テクスチャー」は物の表面の質感や感触を意味します。
「ニュアンス」との大きな違いは、「ニュアンス」は視覚、聴覚、言葉の微妙な差異を表す時に使うのに対し、感触を表す時に使う表現が「テクスチャー」です。

例えば、このトリートメントはサラッとしたテクスチャーをしている。
このようにトリートメントの感触を説明することができますが、これをニュアンスに変えると不自然に感じますよね。

「フィーリング」は直感的な雰囲気や気分を意味します。
つまり、特に深く考えずに直感的に行動や決断をするときに用います。

例えば、二つの分かれ道があった際にあなたの直感で右に進んだり、左に進むことはありませんか。
この時に「安全そう」「道が険しそう」「細い道だから」など理由を上げたら沢山出てくると思いますが、深く考えずに選択する状況を「フィーリングで決める」と言います。

普段なんとなく使っている「ニュアンス」ですが、実は英語の「nuance」も日本語と同じ意味を持っているのをご存知でしたか。
ここからは、そんな「nuance」の英語表現についてご紹介します。

「ニュアンス」はフランス語での語源と同じく「nuance」というスペルになります。又、意味も英語の「ニュアンス」と同じ意味を持ち、「色彩や音色の差異」や「言外に表された話しての意図」を意味します。

• Can you grab the nuance of what I said somehow? (私が言った話のニュアンス、なんとなくつかんでくれますか？)
• You will notice the nuance of color in the fall leaves. (紅葉の色のニュアンス（変わりゆく色の変化）に気がつくでしょう)
• It's hard to understand the nuance of words. (ニュアンスを理解するのは難しいです)

ここまでで、意味や類語、使い方を見てきました。最後に「ニュアンス」の対義語をご紹介します。と、言いたいところですが実は対義語は存在しません。
しかしながら、逆の意味合いを持つ言葉はありますので、そちらをご紹介します。

「ニュアンス」の対義語というのはありません。というのも、「ニュアンス」自体が言葉で表せない様な微妙な差異を表す時に使うからです。

逆の意味合いを持つ言葉として、「ロジック」と表現される事があります。
「ロジック」とは、倫理という意味のカタカナ語で思考の道筋を意味します。

議論の際に何かを主張する時、根拠となるものや証拠を用いて論理的に説明することをいいます。
つまり、「なんとなく」の理由ではなくしっかりと道筋を立てる際に「ロジック」は使われます。

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いかがでしたか、一口に「ニュアンス」と言ってもシチュエーション毎に意味が異なります。正しい意味を理解するためには、しっかりと文脈を読み取って解釈する事が大切です。

また、類語や英語表現も多くありますがそれぞれ微妙に意味や使い方が異なるので確認しておくと良いでしょう。

ぜひ、この記事を参考にして「ニュアンス」を様々なシチュエーションでうまく活用してみてください。

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