「固執」の意味と正しい使い方は？類語や英語表現についても詳しく解説！

人の態度を表す言葉に「固執」というものがあります。否定的な意味で使われることが多い「固執」ですが、実は肯定的な意味もあり、使い方には注意が必要な言葉の一つです。ここでは、そんな「固執」を正しく使えるように意味や例文、英語での表現などをご紹介します。

「固執」という言葉の辞書的な意味は、「自分自身の意見や立場を譲らず、変えないこと」です。漢字を分解してみると、「固」という漢字は「かたい」という意味です。そして、「執」という漢字は「しっかりつかんで離さない」という意味です。

つまり、「かたくしっかりつかんで離さない」となり、そこから「固執」は「自分の考えをかたくなに変えない」という意味に落ち着きました。

ちなみに「固執」と言うと、一般的にはネガティブな意味で使われることが多いですが、ポジティブな意味でのこだわりという意味合いで使うことも可能です。

「固執」の使い方で気を付けたいのはその意味合いだけではありません。「固執」の読み方についても注意を払う必要があります。

「固執」という言葉の読み方ですが、実は「こしゅう」と「こしつ」という2つの読み方が存在しています。ある調査によると「こしつ」という読み方をしている人が全体の7割以上だったというデータもありますが、実は本来の正しい読み方は「こしゅう」です。

ただ、現在では「こしつ」という読み方が定着しており、放送用語委員会の「NHK 日本語発音アクセント辞典」でも「こしつ」という読み方が採用されているほどです。

したがって、「固執」を「こしゅう」と読むことも決して間違いではありませんが、一般的には「こしつ」とされてるので、特別な理由がない場合は「こしつ」と読むようにしましょう。

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「固執」は、否定的な意味でも肯定的な意味でも使える言葉です。しかし、一般的には否定的な意味で捉えられることが多いのも事実ですので、「固執」を文章の中で使う際には誤解を与えないように慎重に意味を考える必要があります。

「固執」の肯定的な意味での使い方としては、「諦めずに自分の意志を貫き通したのでよい結果に結びついた」という使い方となります。「固執」をそのまま名詞として使うこともできますし、「固執」に「する」を付けて動詞としての使い方もあります。

例文を挙げると、「彼女は長年諦めずに同じ方法に固執したので、結果として素晴らしい成果を上げることができた。」や「あなたの考えは素晴らしいと思います。周りの意見に耳を傾けすぎず、もっと固執してもいいのではないでしょうか。」となります。

「固執」を否定的な意味で使う時も、肯定的な意味で使う時と同じく、それがネガティブな内容なのかポジティブな内容なのかをはっきりと分かるようにすることが大切です。

否定的な内容での「固執」は、「周りからの意見に耳を貸さず、自分の意見にこだわりすぎてしまうこと」となります。

例文としては、「会議でたくさん良い意見が出されたのに、彼はいつもの通り自分の意見に固執してしまっている。」や「いつまでも過去の話に固執せず、未来に目を向けることも大切だ。」となります。

「固執」という言葉には、肯定的な意味合いと否定的な意味があり、どれだけ気を付けて「固執」を使っていても、場合によっては相手に「固執」が違った意味で伝わってしまうことも珍しくありません。

特に、「固執」は一般的には否定的な意味で使いますので、肯定的な意味で使う際には細心の注意を払いましょう。

もしくは、「固執」を使うのを諦め、「固執」の類語を使用するというのも一つの方法です。ここからはそんな時に参考になる「固執」の類語をご紹介します。

「固執」の類語、一つ目は「執着」です。読み方は「しゅうちゃく」で、「固執」と同じように「一つのことに集中し、そこから離れられない」という意味があります。

「固執」よりも「執着」のほうが日常的な言葉であるほか、「固執」は自分の意見にこだわることであるのに対し、「執着」は「お金に対する執着」のように、自分が惹かれる対象にこだわることを表します。

「固執」の類語、二つ目は「頑固」です。読み方は「がんこ」で、意味は「自分の態度や意見を改めようとしないこと」となります。

また、人に対してだけでなく「取りついて簡単に離れようとしない」という意味で、頑固な汚れといった使い方もできます。

「固執」の類語、次にご紹介するのは「拘泥」です。読み方は「こうでい」で、意味としては「ほかに選ぶものがあるのに、一つにこだわること」となります。「拘泥」もこだわり過ぎてしまうという意味で、「固執」と同じように否定的な意味で使うことが多いです。

「固執」の類語、四つ目は「貫徹」です。読み方は「かんてつ」で、「意見を貫き通すこと」という意味になります。

四字熟語の初志貫徹とあるように肯定的な意味で使われる言葉ですので、「固執」を肯定的な場面で使いたい場合には念のため「貫徹」と言い換えるのもおすすめです。

「固執」の類語、最後にご紹介するのは「頓着」です。読み方は「とんちゃく」で、「関心があること、深く気に掛けること」となります。

「頓着」は後ろに「しない」を付け、「頓着しない」という形で使用されることが多いです。「あの人は服には頓着しないから、いつも同じような服を着ている。」のように使います。

物事に過剰に「固執」してしまう人にアドバイスをする時など、「固執」の反対の意味を表す言葉をいくつか知っておくと説明がスムーズにいくことがあります。ここからは「固執」の反対語についてご紹介しましょう。

「固執」の反対語、まずは「譲歩」が挙げられます。読み方は「じょうほ」で、「自分の意見を押し通すことなく、相手との折り合いをつける」となります。自分の意見に「固執」してしまうのではなく、相手の意見のほうが正しい時には素直に「譲歩」するという姿勢が大切です。

「固執」の反対語、「妥協」という言葉もあります。読み方は「だきょう」で、「対立した時、お互いに譲り合って結論を導く」という意味です。「折り合い」とも似た意味を持ちます。「A社との話し合いは平行線だが、ここで妥協は考えたくない。」というように使います。

「固執」の反対語、「協調」という言葉もあります。読み方は「きょうちょう」で、漢字が示す通り「協力し合い、物事を上手く進めていくこと」という意味を持ちます。また、そのような素質を指して「協調性」とも言います。

国際化が進む中、仕事で海外とのやり取りを行うことも珍しくなくなりました。その時に欠かせないのが英語です。これを機に、「固執」は英語でどのように表現するのかについても把握しておけばいざという時に慌てることがありません。

「固執」を英語にした時、一番近い意味となるのが「persist」という動詞です。日本語訳は「～にこだわる」となります。

否定的な使い方の例文は「Why does she persist in that problem?」で、日本語訳は「どうして彼女はあの問題に固執するのだろう。」になります。

そして肯定的な使い方の例文は「You should persist in your efforts to learn Chinese.」となり、日本語訳は「あなたは中国語を学ぶ努力を続けるべきだ。」となります。

「固執」の英語表現としてもう一つ便利に使えるのが「stick to」です。「stick」自体は日本語の「くっつく」や「くっつける」という意味で、接着材などで何かをくっつける時に使います。

「stick to」を使った否定的な例文を挙げると「He can't stick to whatever he does.」で、「彼は何をやっても長続きしない。」となります。肯定的な例文は「They always stick to a schedule.」で「彼らはいつもスケジュール通りだ。」となります。

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ポジティブな意味でもネガティブな意味でも使うことができる「固執」。使う時には相手に誤解を与えないようにしなければなりませんので、ここでご紹介した意味や例文をしっかりと確認し、正しい「固執」の使い方をマスターしておきましょう。

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