野村総合研究所の平均年収は?
有価証券報告書によると、2020年3月31日現在の野村総合研究所の平均年収は1,235万2千円でした。平均年収が1,000万円台の大台に乗るコンサルティングファームは外資系でさえ少ないです。また、野村総合研究所は6,000人を超える社員数がいるのにもかかわらず驚異的な給与の高さを誇っています。
コンサルティングファームの給与レンジは、外資系戦略コンサルティングファームが最高峰ですが、外資系戦略コンサルティングファームで給与が1,000万円以上超えるのは職位がコンサルタント以上で、そこまで昇進するのは至難のわざです。
一方で野村総合研究所の場合には、入社してから1,000万円程度の給与を得るまでは年功序列で職位の階層を上がっていけるため、入社さえしてしまえば年収1,000万円の大台に乗るのは難しくないでしょう。ボーナスもしっかり出るため、給与の面では文句なしの待遇を得られる企業です。
野村総合研究所の平均年収推移
野村総合研究所の過去10年間分の平均年収推移を有価証券報告書より引用しました。
決算期間 | 平均年収(平均年間給与) |
2020年3月期(第55期) | 1,235万2千円 |
2019年3月期(第54期) | 1,221万7千円 |
2018年3月期(第53期) | 1,166万円 |
2017年3月期(第52期) | 1,151万4千円 |
2016年3月期(第51期) | 1,156万円 |
2015年3月期(第50期) | 1,089万2千円 |
2014年3月期(第49期) | 1,091万1千円 |
2013年3月期(第48期) | 1,071万2千円 |
2012年3月期(第47期) | 1,051万8千円 |
2011年3月期(第46期) | 1,050万6千円 |
野村総合研究所の平均年収は、ここ10年間でなんと約200万円近く上昇しています。コンサルティング業界への需要の高まりが年収によく反映されていると言えるでしょう。平均年収にはボーナスの値も含まれるので、ボーナス分の値が反映されていそうです。
職位ごとの年収
野村総合研究所の職位ごとの年収水準については、口コミによると以下のようになっています。
職位 | 年収 |
専門職 | 500〜800万円 |
副主任 | 800〜900万円 |
主任 | 1,000〜1,200万円 |
上級専門職 | 1,200〜1,500万円 |
GM | 1,600万円〜 |
部長 | 2,200万円〜 |
役員 | 3,000万円〜 |
新卒で入社した場合、30歳すぎで主任になれるということなので、30歳すぎには年収1,000万円の大台に乗るようです。
野村総合研究所の業績
以下は野村総合研究所の2020年3月期の業績です。
項目 | 実績(億円) |
売上高 | 5,288 |
営業利益 | 831 |
営業利益率 | 15.7% |
経常利益 | 845 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 692 |
2020年3月期のセグメント別売上高は以下のようになっています。
セグメント | 売上高(百万円) |
コンサルティング | 38,572 |
金融ITソリューション | 273,571 |
産業ITソリューション | 178,490 |
IT基盤サービス | 38,239 |
売上高5,288億円と、国内のコンサルティングファームの中ではダントツでトップの売上高となっています。セグメント別の売上高を見るとやはり金融ITソリューションの売上高がトップになっており、金融機関向けのコンサルティング、並びにシステム導入が売り上げの柱になっていることがわかります。
平均年収は日系コンサルティングファームの中でトップクラス
コンサルティングファームの平均年収は494万円ですが、野村総合研究所の平均年収は1,235万2千円ですから、平均の約3倍近くもの給与水準となっています。
平均年収が20代で1,000万円を超えてくる外資系コンサルティングファームと比較すると年収が高いとは言えないですが、安定した財務基盤や福利厚生がありつつ30歳前半で1,000万円の大台に到達するため、安定と年収の両方を求めたい方には非常にオススメできる会社です。
野村総合研究所の特徴
野村総合研究所の最大の特徴は、日系最大手のコンサルティングファームということもあり、政府・官庁系のプロジェクトが多く、国を動かすレベルの大規模プロジェクトに携われるチャンスがあるという点です。
また、戦略(マネジメント)コンサルティングだけではなく、ITソリューション部門も社内に持っているために、戦略立案から実行まで全てをトータルで請け負うことができます。結果として大規模プロジェクトが多くなり、プロジェクト立案から実行まで幅広い能力を身につけることが可能です。
さらに、野村総合研究所の民間のクライアントにも日本を代表するような企業が名を連ねています。セブン&アイホールディングスやKDDI、リクルートなど、日本をリードする企業のプロジェクトに関わり、日本を代表する民間企業の成長支援を通じて、国の成長に貢献できます。
野村総合研究所の社風・企業文化
所属する組織やプロジェクトによって所々違うようですが、全体的に「自由闊達」で、「やり切る文化が浸透している」という評判がありました。また、真面目な社員の方が多く、外資系コンサルティング会社のようにガツガツしている社員は少ないという評判もあり、働きやすい印象です。
特にコンサルティング部門には「個人商店の集まりのよう」という評判もあり、非常に自由に動ける風土があるようです。個人主義でありながらも、チームで動くこともできる、バランスの良い人材がそろっています。
また、ハードワークを好む社員が多いという評判がありました。基本的にコンサルティングもシステムソリューションもハードワークなので、ハードワークをこなす覚悟がある人材でないと務まらないでしょう。
野村総合研究所の企業としての強み
野村総合研究所の一番の強みは、国や官庁、日本を代表するようなトップ民間企業との強固な関係性にあります。口コミサイトでも、この点について特に評判に挙がっていました。国内最古のシンクタンクということもあり、長年築いてきた信用があるためでしょう。
また、野村総合研究所のブランド力や給与の高さにより、ハイレベルな人材が確保できていることを強みとして評判に挙げている声も数多くありました。やはり日系最高峰のコンサルティングファームなだけあり、社員の方のレベルも最高峰と言えるでしょう。
従来より金融システムソリューションに強みを持っていましたが、デジタルトランスフォーメーションの分野に軸足を移している最中であるという評判もありました。元々野村総合研究所の社内には優秀なIT人材が多数いるので、この点も他のコンサルティング会社と差別化できる強みです。
野村総合研究所のワークライフバランス
野村総合研究所のプロジェクトでは、基本的に朝8時から夜22時まで働くことが多いという評判がありました。基本的にコンサルティングもシステムソリューションもクライアントワークなので、クライアントに合わせなければならないという事情があるためでしょう。
ワークライフバランスという点では、ある程度の年次以上になるとフレックスタイム制を使うことができるようです。しかし、実際のところ自宅に持ち帰って仕事をしている社員の方も少なくないようです。
育児介護休暇や、それらのための時短勤務制度などは整備されているので、いざというときは制度を使って上手く調整できるようです。しかし、基本的にはクライアントワークで、ワークライフバランスは犠牲になりがちだと考えた方が良いでしょう。
野村総合研究所の年代別職業別平均年収
野村総合研究所の平均年収を年代別、職業別にそれぞれご紹介します。ボーナスや残業代なども含んだ平均年収をご紹介しますので、野村総合研究所へ転職されたい方はぜひご参考になさってください。本章を見ればあなたの転職後の年収が推測できるはずです。
年代別平均年収
野村総合研究所の年代別平均年収をご紹介します。
年齢 | 推定平均年収 |
25歳 | 590万円 |
30歳 | 900万円 |
40歳 | 1,250万円 |
50歳 | 1,580万円 |
30代半ばほどから安定して年収1,000万円以上は稼げそうです。日系の事業会社の中ではこの給与水準に到達する会社はそうそうないです。また、外資系総合コンサルティングファームなどと比べても、非常に高い給与水準だと言えます。
職業別平均年収
野村総合研究所で働く方の職業別平均年収は以下のようになっています。
職業(職種) | 平均年収 |
コンサルタント | 1,085万円 |
エンジニア | 975万円 |
転職口コミサイトには役員クラスの年収が含まれていないため、有価証券報告書のデータよりも年収が低めに出てしまっています。しかし、役員クラスの業績連動ボーナスありの年収なども含めると平均年収はより高く出るはずです。
野村総合研究所の評価制度
野村総合研究所の評価制度は「C&A(Callenge & Act)制度」と呼ばれる制度です。半期ごとに目標を設定し、半期終わると上司との面談を通じて目標達成度合いを図るシステムになっています。一般的な事業会社でも行われているような評価制度と言えます。
また、自己申告制で専門分野や業務フィールド、適性について人事部長に直接申告できる制度もあるようです。この制度を通じて配置変えなどの希望を出したり、人事部にそれとなくアピールすることもできるのでしょう。
新入社員時の「総合職」から「専門職」にステップアップすると、成果主義で評価されるシステムです。具体的には30歳前後までは年功序列で昇進していき、それ以降は実力で評価されるということでしょう。
評価制度についての社員の評判・口コミ
野村総合研究所の社員の方の口コミでは、やはり年功序列的な側面が強いようです。いくら実力主義を標榜しているとはいえ、やはり日本企業らしくバランスが良い人材が出世していく傾向があるようです。
年に1回ある能力評価で昇進や昇給が決まるようです。とはいえ、普段の業務や社内でのコミュニケーションの中で徐々に評価はされているのが実情でしょう。一般的な日本企業の評価制度と同様です。
実力主義でガンガン出世していきたい方には向かない制度と言えます。そういった志向のある方は外資系コンサルティング会社を志望されるのがおすすめです。落ち着いてコツコツ出世したい方には野村総合研究所は良い環境と言えるでしょう。
野村総合研究所のその他の待遇
本章では野村総合研究所の年収以外の待遇について紹介します。野村総合研究所のボーナスや残業代、福利厚生など、気になる年収以外の待遇についてもそれぞれ深掘りして解説しますので、ぜひご覧ください。
ボーナス
野村総合研究所のボーナスは、毎年2回の業績評価で金額が決まるとのことです。若手のうちは年次が上がるごとにボーナスの金額が上がっていくようです。ボーナスの金額は若手のうちは150万円程度からはじまり、年次10年くらいになると700〜800万円ほどになっています。
また、コンサルティング部門の役員クラスになると業績連動でボーナスの金額が数千万円単位で変わるようです。セールスの達成度合いでボーナス金額が上下するのは、外資系コンサルティングファームなどと同様です。
外資系総合コンサルティングファームなどは若手のうちは年俸制でボーナスはありませんから、ボーナスという形で給与が支給されるのを好む方にとっては、野村総合研究所の方が魅力的だと言えそうです。
残業代
口コミによると残業代については、1、2年目は出ますが、それ以降はみなし残業代になるそうです。ほとんどの方が残業をされているようですが、「残業代」という形で支給されることは期待できないようです。
福利厚生
野村総合研究所の福利厚生は、日系財閥企業並みに充実しています。若手のうちは住宅手当がもらえたり、あるいは社宅に住むことができます。最もお金のかかる家賃の部分を節約できるので、ほとんどを貯金に回すことができます。
また、食堂やフリースペース、マッサージルームなど、オフィス内の設備がとても充実しており、オフィスも快適に利用できます。ハードワークで朝から晩までオフィスで働きづめになることが想定されるので、とても嬉しいサポートと言えます。
また、研修制度も日系最大手のコンサルティングファームらしく、とても充実しています。グローバル人材育成プログラムでは、海外派遣留学、海外トレーニー制度、海外短期研修・語学研修と多様なプログラムが用意されています。
競合他社と平均年収を比較
野村総合研究所の競合他社と平均年収を比較してみます。野村総合研究所の競合他社はアクセンチュアとアビームコンサルティングが有名どころなので、2社の平均年収を見てみます。
アクセンチュアの平均年収は、転職口コミサイトによると862万円です。アクセンチュアの平均年収よりも野村総合研究所の平均年収の方が高めに出ています。アクセンチュアはマネージャーに昇進しなければ年収1,000万円の大台に乗らないという事情が影響していそうです。
アビームコンサルティングの平均年収は、転職口コミサイトによると816万円です。アビームコンサルティングの方も、昇進していかなければ年収1,000万円の大台には乗りません。平均年収という点では、野村総合研究所が競合2社よりも優れています。
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[引用元:http://www.jac-recruitment.jp/]