「先見の明」の意味と正しい使い方は？類語やビジネスシーンでの使い方を解説！

「先見の明」は日常でよく使われる言葉です。
言われた嬉しいポジティブな言葉であることは知っていても、詳しい言葉の意味や使い方までは理解していない人も多いのではないでしょうか？
本記事を読んで「先見の明」の意味をしっかりと理解し、ビジネスシーンなど様々な場面で「先見の明」を使えるようになりましょう。
それでは、「先見の明」の意味を解説します。

「先見の明」の意味は以下のとおりです。

「将来を見抜く」とは、何かが起きる前にそれを見抜くことを表します。
先見の明がある人の特徴としては、十分な経験があって、その経験によって将来を見抜くことです。
しかし、経験がなくても、勘によって将来を見抜くケースもあるでしょう。

このパートでは「先見の明」の語源を紹介します。

「先見の明」は中国の書が由来です。
中国古代の書である「後漢書（ごかんじょ）」の「楊彪伝（ようひょうでん）」にて出典されています。

「先見の明」の出典は、中国の「後漢書」の「楊彪伝（ようひょうでん）」にあります。
物語での「先見の明」に関するエピソードは次のとおりです。

登場人物は、「楊彪（ようひょう）」「曹操（そうそう）」「金日磾（きんじつてい）」。彼らは中国後漢末期から三国時代に活躍した政治家です。

ある時を境に、王朝の栄光が尽きたと判断して、楊彪は宮中に行くのはやめました。
その間に、曹操に仕えていた楊彪の子どもが曹操の機嫌を損ねた結果処刑されてしまったのです。

曹操は後日、楊彪に面会を申し入れ、楊彪と顔をあわせました。
すると、楊彪は痩せ細っており体が衰弱していました。曹操はその姿を目の当たりにして楊彪に衰弱している理由を聞いたところ、「私には金日磾のような先見の明が無いことを恥じたためです。老牛が子牛を舐めて愛おしむようなものだ。」と答えました。

金日磾にも子どもがいましたが、その子どもは女遊びが激しく、このままでは政権の上位者に迷惑をかけてしまうと思い、金日磾は自ら自分の子どもを亡きものにした過去がありました。

このエピソードでは金日磾の行為は非情であり、子どもを処刑され衰弱している楊彪が普通であると感じますが、楊彪は次のように感じていたため衰弱していたのです。

「私は金日磾のように、先を予見（政権の上位者に迷惑をかける）して自分の子どもを亡きものにすることができなかった。」

「先見の明」の語源は、意外にも子どもの処刑といった重いエピソードが関わっているのです。

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ここまで読んでいただいた内容で、「先見の明」の正しい意味が理解できたかと思います。
ここからは、「先見の明」の使い方を解説します。
例文も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

このパートでは、以下二つ使い方を解説します。

それでは一つずつ解説します。

「先見の明」は「理由」として使われ、先の行動や状況を説明する役割があります。

上記の例文からわかるとおり、「先見の明」の後には、「～ため」、「～ので」を使い文書を構成することが多いです。

ビジネスシーンでは、「先見の明があるため〜良い結果・出来事」「先見の明がないため〜悪い結果・出来事」とよく表現されます。

「先見の明」を文書の最後の方に使うことで、 文中の対象者の「資質」を強調する効果があります。

これらは、自分ではない他人の資質を強調しているたため、演説などさまざまな場面で使われます。

「先見の明」をより深く理解するために、類語（似た言葉）の意味や例文を確認しましょう。

「先見の明」の類語は以下４つが挙げられます。

それでは類語について一つずつ解説します。

「予知力（よちりょく）」

意味は「何が起こるかと前もって知ることができる力」

「洞察力（どうさつりょく）」

意味は「物事の本質や奥底にあるものを見抜く力」

「先見性（せんけんせい）」

意味は「将来についてをく考えているさま」

「識見（しきけん・しっけん）」

意味は「物事について正しく見分ける力、優れた意見」です。

上記４つの他にいくつか類語があります。

ここからはビジネスシーンで活用できるよう「先見の明」の英語表現を確認しましょう。例文を交えて解説するのでぜひ参考にしてください。
「先見の明」の英語表現は次のとおりです。

「先見の明」の英語表現は「foresight（フォアサイト）」です。
foresightを分解して理解してみましょう。
fore＝beforeのfore（前方の、前の）
sight：視界、見る能力
ここから、前を見る能力＝「将来を見抜く力」となることがわかります。

ビジネスシーンで、英語圏の人の功績を讃えるときは、ぜひ「foresight」を使ってみてください。

「先見の明」と間違いやす表現がありますので注意しましょう。

それでは一つずつ解説します。

「先見の目」はぱっと見や発音は似ていますが誤った表現です。

「先見の妙」は発音が同じですが誤った表現です。

「先見の明」の意味や類語について理解できたかと思いますので、次は対義語について解説しますので確認しましょう。
紹介する対義語はビジネスシーンでもよく使われます。
「先見の明」の対義語は主に次の３つがあります。

それでは対義語について一つずつ解説します。

「後ろ手（うしろで）に回る」

意味は「相手の出方を受けて、それに対応する側の立場になるさま」です。

「浅慮（せんりょ）」

意味は「思慮が浅いさま、浅はかな考え」です。

「見る目がない（みるめがない）」

意味は「物事を正しく観察や洞察する力がない」です。

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「先見の明」は「将来を見抜く力」を意味する言葉です。
ここまで読んでいただいた皆さんは、例文などを通して「先見の明」の意味や使い方を理解できたと思います。
最後にここまでの内容を振り返りましょう。

この記事を読んでいただいたことで、「先見の明」について正しい理解が深まったのではないでしょうか。
「先見の明」の意味や類語、対義語、英語表現をマスターしたので、ぜひ様々な場面で使ってみてください。

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